どう考えても麻生太郎は老後2000万報告書に責任がある

極東ブログ」が新しく年金記事を投稿しているが、やはり前回*1と同様によく読むと色々とおかしい。
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金融庁が出した文書について大臣である麻生太郎には責任がある

極東ブログ」は金融庁が出した「『高齢社会における金融サービスのあり方』(中間的なとりまとめ)」について「審議会がない。金融庁が勝手にまとめていた」と言う。そして、「この流れから見れば、この話題は麻生金融担当相の諮問じゃないんじゃないの疑惑は深まる」と言うのだが、これはおかしい。
まず、「中間的な取りまとめ」*2金融庁として公表した文章なのであるから、審議会を経ていようが経ていまいが大臣である麻生太郎には責任がある。

麻生太郎は「高齢社会における金融サービスのあり方」について把握していた

さらに、「高齢社会における金融サービスのあり方」について「極東ブログ」は「金融庁が勝手に」したことだという筋書きにこだわるのだが、麻生太郎はこの動きについて把握していたはずである。
金融庁のサイトには「高齢社会における金融サービスのあり方」に関連するものとして次の閣議決定があげられている。*3

高齢社会対策大綱(平成 30 年 2 月 16 日閣議決定)(抄)
第2 分野別の基本的施策
1 就業・所得
(3)資産形成等の支援
イ 資産の有効活用のための環境整備
高齢期に不安なくゆとりある生活を維持していくためには、それぞれの状
況に適した資産の運用と取崩しを含めた資産の有効活用が計画的に行われる
必要がある。このため、それにふさわしい金融商品・サービスの提供の促進
を図る。あわせて、住み替え等により国民の住生活を充実させることで高齢
期の不安が緩和されるよう、住宅資産についても有効に利用できるようにす
る。また、低所得の高齢者世帯に対して、居住用資産を担保に生活資金を貸
し付ける制度として、都道府県社会福祉協議会が実施している不動産担保型
生活資金の貸与制度の活用の促進を図る。

麻生太郎は「高齢社会対策大綱(案)」について説明も受けているし*4、閣僚なので当然この閣議決定に責任を負う。

また、麻生太郎は国会でも「高齢社会における望ましい金融サービスのあり方」について衆参両院で発言しているので、この動きについて把握していなかったはずはない。

人生百年時代を迎える中、国民の生涯を通じた安定的な資産形成の推進に向けて、少額からの長期、積立て、分散投資を促すつみたてNISAの普及を図り、金融事業者による顧客本位の業務運営の取組を深化させるとともに、高齢社会における望ましい金融サービスのあり方についても検討を進めてまいります。

第197回国会 財務金融委員会 第1号(平成30年11月16日(金曜日))

人生百年時代を迎える中、国民の生涯を通じた安定的な資産形成の推進に向けて、少額からの長期、積立て、分散投資を促すつみたてNISAの普及を図り、金融事業者による顧客本位の業務運営の取組を深化させるとともに、高齢社会における望ましい金融サービスの在り方についても検討を進めてまいります。

参議院会議録情報 第197回国会 財政金融委員会 第1号

極東ブログ」の独特な文章の構成

事実関係についてだけ触れてきたが、この「極東ブログ」の記事は文章の構成も独特である。
記事は高齢者の資産取り崩しについて疑問を持ってそれについて調べるという形で始まるのだが、途中で突如「謎が解けましたね」と言い出して「この話題は麻生金融担当相の諮問じゃないんじゃないの疑惑は深まる」と結論付ける。そしてまた資産取り崩しの話に戻るのだが、結局何も明らかにしないまま終わってしまう。
文章を要約すると資産取り崩しについて調べてみたが政府がどうするつもりなのかはよくわからなかったというだけの話なのだが、途中に挿入された麻生太郎をかばう部分だけが際立って異質だ。

金融庁を監督できていないのなら麻生太郎は不信任に値する

前回に引き続き「極東ブログ」は老後2000万円報告書について麻生太郎に責任はないという立場で、金融庁が勝手にやったことだと主張するのだが、それは無理筋である。
金融庁がやったことについて麻生太郎は大臣として責任を取らねばならないし、実際に麻生太郎は報告書作成につながる動きについて把握していたことは閣議決定や国会議事録からも明らかである。
また、もし仮に麻生太郎が大臣である自身の意に反する金融庁の官僚の独走を完全に許していたのだとすれば、それは麻生太郎が大臣としての能力がないということだから、当然不信任に値する。
いずれにしろ、麻生太郎は大臣として金融庁が出した報告書についてなんらかの責任を負う立場にあるのである。
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金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)資料2 厚生労働省提出資料 23ページ