「納税者」という立場にすがる哀れな人々

先日のエントリ*1には思ったよりも多くの反応があり、数々のコメントに楽しく目を通した。頷かされるものや新しい視点に気づかされるものもあれば、筆者の不徳のせいか文意が正しく伝わっているのか不明なものもあったが、おおむねありがたく読んだ。

とは言うものの、中には明らかに読者の国語力に問題があるものもいくつかあったし、特に以下の3名のコメントには首を傾げざるを得なかった。

いや、愛知県民でなくても税金使われてるけど……地方交付金って知ってる?よくそのレベルの税知識でこんなエントリ書けたね。その方がダサい。 - kasuganoのコメント / はてなブックマーク

地方交付税とかしらないのかな?税金は血流並みに巡り巡ってるよ。血税だけにね。納税者もアーティストも大事だろ。サラリーマン馬鹿にしてんのか。逆にいうともはやダサいぐらいしか言えないのだろう。 - oktnzmのコメント / はてなブックマーク

「批判者のほとんどは愛知県民ではないだろうから彼らが納めた税金はほぼ使われてないと言っていい」地方交付税交付金とは - Outfielderのコメント / はてなブックマーク

税金について話すよりもマシな批判の方法はいくらでもあるだろうという内容の文章を読んで税金について話し出す愚鈍さについてはとりあえず置いて、ひとまず彼らの論法に従って考えてみることにする。
推測するに、彼らの論法によれば、愛知県は地方交付税交付金などを国庫から受け取っているからあいちトリエンナーレ2019に対する愛知県の支出は自分も負担している、つまり納税者として自分を含む全国民には苦情を言う権利があると言いたいのであろう。
この論理は複数の箇所に誤りがある。

第一に、愛知県が受け取る地方交付税交付金などの補助金は事実上愛知県内で賄われている。
下の図*2は少々古いデータだが、2019年現在でも愛知県の人口は755万人*3であり、愛知県が国から受け取る依存財源の合計は6618億円*4で、愛知県内で納められた国税の総額は4.3兆円*5なので、愛知県では県民一人あたり国税が約57万円納められていて、国からは一人あたり約8.8万円の補助金を受け取っており、現在もほぼ状況は変わっていない。

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国税と国からの補助金(1人あたり)
愛知県で収められた国税の額は愛知県が国庫から受け取る補助金の額をはるかに上回っている。別の言い方をするなら、愛知県は国庫に支えられているのではなく、国庫を支えているのである。
こんなことは愛知県が東京、大阪に次ぐ日本第三の大都市圏の核を成していて大工業地帯や国際貿易港を抱えていることを考えれば自明のことである。

第二に、地方交付税は受け取った自治体のものであり国のものではない。

地方交付税は、本来地方の税収入とすべきであるが、団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する見地から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方に代わって徴収する地方税」 (固有財源)という性格をもっています。

総務省|地方財政制度|地方交付税

地域間の再分配制度としての側面が強くあるにせよ、建前上は地方交付税は「本来地方の税収入」であったものを「国が代わって徴収」し再配分したものである。
たとえ愛知県が受け取る補助金が県内で納められた国税よりも多かったとしても、国が指図したり、他県民が納税者のような顔をする筋合いはないのである。
ついでにいえば地方分権改革により国と地方自治体の関係は上下関係ではなく対等ということになっているから、国が自治体の税金の使い方に口出しをするのはそもそも越権行為である。

第三に、行政に異議を申し立てる権利は納税の結果として生じるものではない。
繰り返しになるが、「表現の不自由展・その後」に対して批判をするのであれば税金について話すよりもマシなやり方がいくらでもある。
税金を払っている人間には口出しをする権利があるのなら、国からの補助金をはるかに上回る金額の国税を納めている東京都民は、補助金を大量に受け取っている高知県島根県の意思決定に県民よりも強い立場で参加できることになってしまう。
普通選挙実施前の納税額で選挙権の有無が決まる社会ではないのである。日本国憲法は政治的権利を万人に無条件で認めている。

最後になるが、国や自治体から金が出ていようがいまいが、公にされた表現に問題があるのであればそれは公権力による圧力や暴力を伴わない形で批判されるべきである。
そこであなたが相手を批判する資格の根拠となるのは、納税額の多寡ではなく、あなたが日本国憲法で認められた基本的人権を備えた一市民であるという事実だ。
公共の福祉に反する展示によってあなたの人権が侵害されているのであれば、それは相手の表現の自由を制限する理由になる。
今回の事件を通じて最も残念だったのは、批判している人々が展示の具体的内容について知らず、それが公共の福祉に反するという論理的説明を誰も出来ていなかったことだった。
その結果が大量の「納税者」の発生だったのだろうが、その論理に政治家や「アーティスト」と呼ばれるような人々まで乗っかっていたのは重ね重ね見るに堪えない残念な光景だった。

アートを批判するために「俺様は納税者だぞ」と言い出すダサい人々

「あいちトリエンナーレ2019」の企画展として行われた「表現の不自由展・その後」は脅迫などもあり中止に追い込まれてしまったが、それまでにこの企画展へ向けられた批判の数の多さには驚かされた。
www.huffingtonpost.jp
批判の多くは「平和の少女像」や「遠近を抱えて」に向けられていたが、批判していた人たちの多くはそれらが具体的にどのような展示だったか把握していたようにも思われないし、またそれら以外にどのような展示があるのか調べたようにも見えない。
個人的には、「アルバイト先の香港式中華料理屋の社長から『オレ、中国のもの食わないから。』と言われて頂いた、厨房で働く香港出身のKさんからのお土産のお菓子」というただの菓子を展示しただけの作品がタイトルや最初に展示を拒否された経緯も含め面白いと思った。

「表現の不自由展・その後」に向けられた批判で特に興味深かったのは、税金を使っていることを理由に展示内容を好ましくないとする自民党日本維新の会のいわゆる改憲勢力の政治家たちによるものだ。
代表的なのは官房長官菅義偉名古屋市長の河村たかし大阪府知事の吉村洋文などだろう。税金を使っているのだから権力の気に入る展示をしろというわけである。

これは端的に言ってダサい。誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ、というのは家族に尊敬されない父親が言う定番のセリフである。
自分が尊敬されていないことがわかっていて、理屈でも説得できないとわかっている家族に向けて吐く最高にダサい捨て台詞である。
自民党というのは日本中のダサい親父の価値観を体現しているような政党だから、自民党からこういう意見が出てくるのは当然と言えば当然であるが、官房長官という立場にある人間がこの最高にダサいセリフを吐いたのは強く印象に残った。
そもそも愛知県と名古屋市からの支出とチケット代で予算のほとんどが成立しているイベント*1に他の都道府県の住民や国会議員が青筋を立てて文句を言うのもどうかと思うが。


もっとダサいと思ったのは「アーティスト」と呼ばれるような人々が同じような理屈で批判を行っていたことだった。
表現の巧拙に関する指摘、既存作品との比較、対抗するメッセージを発信する作品の紹介、などなどアーティストであればアーティストならではの批判もできるはずだ。
しかし彼らはそうしなかった。税金を使っていることを理由に批判したことで彼らは「アーティスト」ではなくただの「納税者」になってしまった。
たしかに税金が正しく使われているかを監視するのは納税者の大切な役割である。しかし、批判者のほとんどは愛知県民ではないだろうから彼らが納めた税金はほぼ使われてないと言っていい。そしてまた苦情を言っているのが愛知県民だったとしても、その苦情の妥当性は休憩する消防団員を怠けていると言って役所に密告するクレーマーと何が違うのだろうか?
そして、彼らにとって納税者であることは「アーティスト」であることよりも重要なことだったのだろうか?そんなことはそこらへんのサラリーマンでもできるようなことだ。

機動警察パトレイバー」というアニメに繰り返し登場するギャグに、太田という警官が「納税者だと思って優しくしてりゃつけあがりやがって」といって犯罪者を相手にキレるというものがある。
これがギャグとして成立するのは、この警官が自分と犯罪者との関係を、市民と警官という関係ではなく納税者と警官という関係で考えて、相手が金を払っているから偉いと考えているのが異常だからである。
金を払っている人間が偉いのだという価値観を内面化している人間は距離を置いてみるとものすごく滑稽に見える。

こちらは少し毛色が違うが同じくらいダサい。政治表現こそが表現の自由によって守られるべきもののなかで最も重要だということは義務教育でも習うような内容である。
表現の自由がなんであるかも知らず、「アーティスト」としてではなく納税者として他人に感情をぶつけるダサい親父のような人々がたくさん目に入って呆気にとられたというのが今回の事件に対する私の感想だ。

間違いだらけの「山猫日記」の参議院選挙分析

「山猫日記」が参議院選挙分析記事を上げているのだが、この記事にはあまりにも多くの間違いがある。
lullymiura.hatenadiary.jp

憲法問題が投票行動を決める重要な判断基準である」という誤り

「山猫日記」は与党支持者の約半数が憲法改正に賛成しているのを見て、「政党支持を大きく分けるものは依然として安保・憲法である」とし、続けて「憲法と安保は表の争点化はしないが、投票行動を決めるにあたっては根っこのところで重要な判断基準となっている」とするのだが意味不明である。
憲法問題を重視して投票する有権者は、憲法問題を重視して支持政党を決める」という誰もが納得する当たり前の事実をひっくり返して、「支持政党によって憲法問題への態度が違うから、すべての有権者憲法問題を重視して投票する」と言い出すのは典型的な詭弁である。三浦瑠麗は逆・裏・対偶の関係が理解できていないか、あるいは理解していてわざと読者を騙そうとしているかのどちらかだと思わざるを得ない。

ANNが週末に行った世論調査で「参院選で重視する政策」について聞いたところ、有権者が最も注目しているのは前回の調査に引き続き「年金・社会保障制度」で55%と最も多く、次いで「経済政策」が48%。そして「外交・安全保障」の31%などとなっている。

「あなたが重視する政策」と連休中各党が訴えたこと

外交・安保・憲法は票にならないというのは常識だが、その常識を支離滅裂な論理でひっくり返そうとする「山猫日記」には驚かされる。

無関心層・無党派層を無視する誤り

mainichi.jp
多くの有権者憲法問題を重視していない、もしくは関心が無い。そもそも、日本で支持政党を調査したときに最も多く見られる集団は「無党派」である。「山猫日記」は国民の大多数を占める憲法問題に無関心な層、特に支持政党がない層を無視して立論しているため「日本の政党支持を分ける亀裂、社会の分断は安保・憲法にある」という意味不明な結論を導いてしまっている。

「れいわ新選組の存在が立憲民主党左傾化させる」という誤り

続けて「山猫日記」は、れいわ新選組が左派ポピュリズム的な立場を取ることで「その必然的な結果として、立憲民主党は従来よりも経済政策でさらに左に寄りたいという誘惑を覚える」と書くのだが、まったくもって意味不明である。
れいわ新選組が左派ポピュリズム票を奪うのであれば、立憲民主党にとって合理的なのは左傾化することではなく中道に寄せることである。自民党が右傾化し、左端には社民党やれいわが既に存在し、共産党が左端から中道に寄せてきている現状で立憲民主党にとって多数の支持を得るために最も合理的な立ち位置は中道左派である。
中道右派を目指す国民民主党の存在が立憲民主党左傾化させるというのなら理解できるが、既に飽和状態の左派政党が増えることで立憲民主党左傾化するというのは理解に苦しむ。

自民党の強みは支持者が入れる票ではなく無党派層が入れない票

「山猫日記」は記事の結びで自民党が与党であり続けることを三つの理由を上げて説明するのだが、その全てが間違っている。第一に有権者の大部分は憲法問題を重視していない。第二に、日本で最も多い集団は自民党支持者ではなく無党派層である。第三に、立憲民主党左傾化するのであればそれは左派政党の存在によるものではなく自民党や国民民主党などの右派政党との差別化をはかるためであり、それは特に自民党が右傾化・先鋭化している現状にあっては野党として健全なあり方である。
有権者が最も重視する年金・社会保障の問題について、自民党は老後2000万円報告書の存在をなかったことにし、年金財政検証の結果を隠して選挙を乗り切ろうとしている。無党派層が政治に関心を持たないことが、郵便局や創価学会などの集票組織を利用して小選挙区制を攻略し、40%程度の得票率で3分の2近い議席を手に入れるための必要条件だと自民党公明党は理解しているからである。
www.tokyo-np.co.jp

参院選後に「安倍・トランプ蜜月」の犠牲になるのは農家と自動車産業か?

外務省が出している「外交」という雑誌があるのだが、その最新号に載っている日本経済新聞ワシントン支局長の菅野幹夫氏が書いた「『蜜月』だからこそ厄介な日米貿易交渉」という記事は政権の考え方を端的に表しているようで面白く読んだ。

外交 VoL.55 特集:G20大阪サミットが描く世界像

外交 VoL.55 特集:G20大阪サミットが描く世界像

記事は安倍晋三ドナルド・トランプの個人的な関係は親密だが、貿易交渉は「厄介な対立の構造をとらえている」とする。

日米の駆け引きには双方が迎える重要選挙への思惑が重なる。日本は七月に見込まれる参議院選挙、米国にとっては二〇二〇年一一月に予定した次の大統領選挙である。より時間軸の短い日本で安倍政権が細心の根回しに動いたのは、農業関税での米側への歩み寄りが政権与党の「失点」と取られかねないことが背景にある。本来、米国を含めたTPPの合意の際に、農業関税の引き下げ問題はすでに国政選挙での審判を受けている。だが、今回の日米交渉で改めて対米関税を下げる合意を結べば「新たな譲歩」とみなされ、参院選、あるいは衆院選の前倒しを含めたダブル選挙で、地方の農業票などに響きかねない。

「国政選挙での審判」とは2017年の衆院選のことを指しているのだろうか?このときは森友・加計問題で窮地に立たされていた安倍晋三自ら「国難突破解散」と銘打ち、もっぱら北朝鮮弾道ミサイルの脅威ばかりが強調され各地で無意味な避難訓練なども行われていたように思う。
しかし、この2017年の衆院選の結果によって、2019年のいまアメリカ産農産物への関税を引き下げることが正当化されるというロジックはいかにも現政権らしくとても興味深い。もはや現在行われている日米の交渉では国内農家は犠牲になることが確定していて、それは2017年衆院選の結果により正当化されるから、今回の参院選では争点にすらならないというのである。
ついでに言うなら、2017年の衆院選の際には北朝鮮には「最大限の圧力」をかけると言っていたはずだが、それにもついても「信を得た」はずなのに無条件で対話に応じると変節しているちぐはぐさも現政権らしい。
ちなみに、2017年の衆院選の際の安倍晋三による「あいさつ」ではTPPについてまったく触れられていない。

北朝鮮の脅威、そして少子高齢化
この2つの国難を前に、今、政治には、明日を守り抜く重大な決断と実行力が問われています。
国民の信任なくして、前へ進んで行くことはできない。


今、わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。
北朝鮮による、弾道ミサイルの相次ぐ発射や核実験の強行など、度重なる挑発に対して、国際社会の連帯を強固なものとするため、私は、世界でリーダーシップを発揮していく決意です。
拉致、核、ミサイル問題の解決に向けて、北朝鮮の政策を変えさせるため、国際社会とともに、北朝鮮への圧力を最大限まで高めてまいります。
危機管理にも全力を尽くし、皆様の生命と財産を守り抜いてまいります。


少子高齢化が急速に進む中で、日本が成長を続ける道は何か。
アベノミクスは、2つの大改革で挑みます。
ロボット、IoT、人工知能など最先端のイノベーションで生産性を劇的に押し上げる「生産性革命」。
そして、人生100年時代を見据え、あらゆる人にチャンスをつくる「人づくり革命」です。
いくつになっても学び直しとチャレンジの機会が保障される社会へ。
子供たちの誰もが、どんなに経済的に恵まれない家庭に育っても、意欲さえあれば進学できる社会へ。
幼児教育の無償化も一気に進め、全世代をあまねく支える社会保障制度へ、大きく舵を切ります。
2019年10月から10%へ引き上げる予定の消費税の安定財源を活用し、従来からお約束していた年金、介護の充実に加え、子育て世代の暮らしを守り、そして子供たちの未来を切り拓くため、投資を大胆に進めます。


この国を、守り抜く。
全身全霊を傾け、国民の皆様とともに、私は必ずやり遂げます。


自由民主党総裁
安倍晋三

総裁挨拶|衆議院選挙公約2017|自民党

国内農家が犠牲になることが決まっているのなら、いま行われている日米の貿易交渉で問題になっているのは何か。記事によればそれは日本による自動車輸出である。記事はトランプ政権が他国との交渉でも使った三つの「禁じ手」を列挙する。一つは、アメリカへの自動車輸出に対する数量規制。二つ目は通商拡大法232条に基づく自動車に対する追加関税の発動。三つめは為替操作を禁じる「為替条項」の導入である。
これらの「禁じ手」により日本の自動車産業が直接の打撃を受けるのか、あるいは別の産業が犠牲になるのか、日本政府が米国製の兵器などを買い入れることで妥協するのか、はたまた日米繊維交渉のときのように自動車メーカーによる輸出の「自主規制」が行われるのかは参院選後にならないと明らかにされないだろう。中国のようにアメリカの要求を受け入れず全面対決に持ち込むという手もあるが、官邸の政治家にも外務省の官僚にもアメリカとそこまでやりあうつもりはないだろうしその可能性は考えなくてもよいだろう。

「死んでもいや」なのに6割の議案で共産党と同じ行動を取っている維新の会

headlines.yahoo.co.jp
日本維新の会衆議院議員である足立康史は、安倍内閣不信任案に対する反対討論で「共産党と同じ行動を取るのが、死んでもいや」と述べたが、実際には今回の国会で日本維新の会は採決が行われた6割の議案で共産党と同じ行動を取っている。
具体的には、第198回国会で衆議院には203件の議案が提出され*1そのうち98件について採決が行われたが、日本維新の会は58件の議案について日本共産党と同じ行動を取っている。これは率にして59.2%である。以下に各議案に対しての日本維新の会日本共産党の賛成・反対を一覧にして示す。

日本維新の会日本共産党がともに反対した議案(9件)

自民党公明党の反対により否決されたもの(0件)

自民党公明党が賛成し可決されたもの(9件)

金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
所得税法等の一部を改正する法律案
地方税法等の一部を改正する法律案
特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案
法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案
平成三十一年度一般会計予算
平成三十一年度特別会計予算
平成三十一年度政府関係機関予算

日本維新の会日本共産党がともに賛成した議案(49件)

自民党公明党の反対により否決されたもの(3件)

業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案
労働安全衛生法の一部を改正する法律案

自民党公明党が賛成し可決されたもの(46件)

学校教育の情報化の推進に関する法律案
優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律案
食品ロスの削減の推進に関する法律案
日本語教育の推進に関する法律案
公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案
子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案
動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案
棚田地域振興法案
愛玩動物看護師法案
自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等の推進に関する法律案
死因究明等推進基本法
視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律案
成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案
成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案
国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案
国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律案
民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案
農業用ため池の管理及び保全に関する法律案
表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案
特許法等の一部を改正する法律案
自然環境保全法の一部を改正する法律案
電気通信事業法の一部を改正する法律案
道路運送車両法の一部を改正する法律案
船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案
特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案
建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案
障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案
児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律の一部を改正する法律案
中央北極海における規制されていない公海漁業を防止するための協定の締結について承認を求めるの件
二千一年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の締結について承認を求めるの件
二千七年の難破物の除去に関するナイロビ国際条約の締結について承認を求めるの件
放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件
議員丸山穂高君糾弾決議案
国際労働機関(ILO)創設百周年に当たり、ILOに対する我が国の一層の貢献に関する決議案
衆議院規則の一部を改正する規則案
日本国憲法第八条の規定による議決案

日本維新の会が反対し日本共産党が賛成した議案(5件)

自民党公明党の反対により否決されたもの(3件)

安倍内閣不信任決議
財務大臣・金融担当大臣麻生太郎不信任決議
厚生労働大臣根本匠不信任決議

自民党公明党が賛成し可決されたもの(2件)

民法等の一部を改正する法律案
アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律案

日本維新の会が賛成し日本共産党が反対した議案(35件)

自民党公明党の反対により否決されたもの(1件)

司法試験法等の一部を改正する等の法律案

自民党公明党が賛成し可決されたもの(34件)

浄化槽法の一部を改正する法律案
平成三十年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案
森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案
電波法の一部を改正する法律案
放送法の一部を改正する法律案
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案
道路交通法の一部を改正する法律案
航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案
投資の促進及び保護に関する日本国とアルゼンチン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスペイン王国との間の条約の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とクロアチア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とコロンビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエクアドル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
警察法の一部を改正する法律案
平成三十七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案
医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案
情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案
情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案
戸籍法の一部を改正する法律案
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案
大学等における修学の支援に関する法律案
学校教育法等の一部を改正する法律案
国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律等の一部を改正する法律案
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案
国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案
特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案
日本国の自衛隊とカナダ軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とカナダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
日本国の自衛隊フランス共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府フランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
防衛省設置法等の一部を改正する法律案
農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案
平成三十年度一般会計補正予算(第2号)
平成三十年度特別会計補正予算(特第2号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案

提出されたものの採決に至らなかった議案(105件)

公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案
行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案
被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案
東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案
東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑化に関する法律案
対象発電用原子炉施設等に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する法律案
原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法
主要農作物種子法案
国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係に関する法律の一部を改正する法律案
国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案
公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案
会計検査院法及び予算執行職員等の責任に関する法律の一部を改正する法律案
畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案
国家公務員法等の一部を改正する法律案
国家公務員の労働関係に関する法律案
公務員庁設置法案
農業者戸別所得補償法案
性暴力被害者の支援に関する法律案
民法の一部を改正する法律案
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案
保育等従業者の人材確保のための処遇の改善等に関する特別措置法案
産後ケアセンターの設置の推進のための児童福祉法及び社会福祉法の一部を改正する法律案
児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案
日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案
航空機強取等防止措置に係る体制の強化のための施策の推進に関する法律案
政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案
公職選挙法及び地方自治法の一部を改正する法律案
政治資金規正法の一部を改正する法律案
公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案
性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案
天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行の日の翌日以後における平成の元号を用いた法律の表記の取扱い等に関する法律案
児童虐待を防止し、児童の権利利益の擁護を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案
日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案
民法の一部を改正する法律案
公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案
青少年自然体験活動等の推進に関する法律案
分散型エネルギー利用の促進に関する法律案
熱についてエネルギー源としての再生可能エネルギー源及び廃熱の利用を促進する等のためのエネルギーの使用の合理化等に関する法律等の一部を改正する法律案
国等によるその設置する施設の省エネルギー再生可能エネルギー源利用改修の実施等に関する法律案
エネルギー協同組合法案
国民経済及び国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある通商に係る交渉に関する情報の提供の促進に関する法律案
手話言語法案
聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保の促進に関する法律案
多文化共生社会基本法
自動車に係る国民負担の軽減及び道路交通の安全のために講ずべき措置に関する法律案
認知症基本法
行政監視院法案
国会法の一部を改正する法律案
地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律案
家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
公職選挙法の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
地方自治法の一部を改正する法律案
国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
裁判官弾劾法の一部を改正する法律案
国家公務員の人件費の総額の削減の推進に関する法律案
大規模災害からの復興に関する法律の一部を改正する法律案
公職選挙法の一部を改正する法律案
政治資金規正法の一部を改正する法律案
租税特別措置法の一部を改正する法律案
政治資金規正法の一部を改正する法律案
国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
公職選挙法の一部を改正する法律案
自衛隊法等の一部を改正する法律案
国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律を廃止する法律案
領域等の警備に関する法律案
周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案
消費者対応業務関連特定行為対策の推進に関する法律案
航空機強取等防止措置に係る体制の強化のための施策の推進に関する法律案
日本たばこ産業株式会社の完全民営化等に関する法律案
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案
我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を信頼性のある統計等の情報に基づき中立公正に実施するための経済財政等将来推計委員会の設置に関する法律案
国会法の一部を改正する法律案
国家戦略特別区域法の適用の停止等に関する法律案
国家戦略特別区域等に関する制度の運用における公正性及び透明性の確保を図るための国家戦略特別区域法等の一部を改正する法律案
国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案に対する修正案
地域再生法の一部を改正する法律案
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案
国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案
外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件
平成二十八年度一般会計歳入歳出決算
平成二十八年度特別会計歳入歳出決算
平成二十八年度国税収納金整理資金受払計算書
平成二十八年度政府関係機関決算書
平成二十九年度一般会計歳入歳出決算
平成二十九年度特別会計歳入歳出決算
平成二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
平成二十九年度政府関係機関決算書
平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書
平成二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書
平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
日本放送協会平成二十八年度財産目録、貸借対照表損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書
日本放送協会平成二十九年度財産目録、貸借対照表損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書
議員丸山穂高君の議員辞職勧告に関する決議案
議員丸山穂高君譴責決議案

金融制度に不備があるのだとすればそれについて責任を負うのは麻生太郎のはず

極東ブログ」が引き続き年金問題についての記事を書いているが、前回*1と前々回*2と同様に、やはり全体に文章がおかしい。
finalvent.cocolog-nifty.com

金融審議会を金融庁が乗っ取るという記述は意味不明

極東ブログ」は「今回炎上した金融庁報告書は、『金融審議会 市場ワーキング・グループ』を事実上、金融庁が恣意的に乗っ取った形ででてきたものだ」と言うのだが、まずこれがよくわからない。
金融庁設置法に従って金融庁に置かれた審議会である金融審議会を金融庁が乗っ取るというのはどういう意味なのだろうか?
金融審議会を経済産業省財務省が乗っ取っていたら驚くかもしれないが、金融庁の審議会を金融庁が乗っ取ったとだけ言われても何が言いたいのかよくわからない。

市場ワーキンググループの再開は副大臣政務官に報告されている

極東ブログ」は、問題となっている報告書を出した市場ワーキンググループが2018年9月21日に再開したのは、金融庁の官僚が大臣である麻生太郎をはじめとする与党政治家の意に反して行ったことだと言いたいのかもしれない。しかし、このことは再開直後の2018年10月17日に副大臣である田中良生政務官である長尾敬も出席している第40回金融審議会総会で報告されている。田中良生も長尾敬も自民党衆議院議員である。ちなみに、長尾敬はTwitter上での数々の暴言でも有名である。*3
副大臣政務官が直接説明を受けているのだから、官僚が政治家に無断で行ったという解釈は明らかに無理筋である。

〇岩原会長
 ただいまから、第40回金融審議会総会・第28回金融分科会合同会合を開催させていただきます。


 本日は、皆様お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日の議事は公開の形で行わせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


 本日は、田中内閣府副大臣及び長尾内閣府大臣政務官にお越しいただいております。


(中略)


〇岩原会長
 どうもありがとうございました。

 続きまして、先月審議を再開いたしました、市場ワーキング・グループの説明に移りたいと思います。再開に至った背景や再開後の審議状況について、小森市場課長からご説明をお願いいたします。

〇小森市場課長
 市場課長の小森でございます。市場ワーキング・グループに関しまして、資料3-1、3-2を用いながらご説明申し上げます。

第40回金融審議会総会・第28回金融分科会合同会合議事録:金融庁

また、仮に官僚が何をやっているのか大臣が把握していなかったのだとしても、それは麻生太郎が大臣としてまともに仕事をしていないということを意味するのだから不信任に値する。

金融庁報告書がリバースモーゲージの問題を「隠蔽」したという主張には根拠がない

極東ブログ」は金融庁リバースモーゲージを「隠蔽」したと特に根拠を上げずに主張するのだが、リバースモーゲージについてはワーキンググループにおいて現時点では課題があるという説明がされている。

保有住宅を流動化させるという意味では、リバースモーゲージはよいアイデアだが、住宅ローンよりも金利が高い・使い勝手が悪いなど、普及には何らかのサポートが必要。

金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第18回)事務局説明資料

ちなみに、報告書では住宅資産については次のような文言で触れられている。*4

その他の課題として、個々人において多様化が進んでいるとはいえ、高齢期の者を中心に持ち家比率は高く、住宅資産を有効に活用できる環境整備も重要と考えられる。例えば、リフォーム市場の活性化や、良質な既存住宅の資産価値の適正評価を促すなど既存住宅の流通を活性化させるための施策を、より一層推進することが望まれる。

また、仮に就労延長や支出の見直しを行ってもなお収支および資産が十分でないとなったとき、自宅等の不動産がある場合には、それを売却して金銭化するなどの住宅資産の活用や、住居費や生活費が相対的に安い地方への移住も選択肢に入ってこよう。

リバースモーゲージについて最優先で考えろという主張は一般市民の感覚からはかけ離れている

極東ブログ」は「金融庁の報告書は何を問題とすべきか、またマスコミは何を追求すべきか?リバースモーゲージがより広く活用されるようになるための議論である」と言うのだが、これもかなりおかしい話だ。
リバースモーゲージが活用できるかどうかというのは資産を蓄えたあとに心配する話であって、一般市民にとっては退職までに2000万円とか3000万円とかいう大きさの資産を蓄えられるかや、なぜ自民党政治家は報告書をなきものにしようと異常行動を続けているかの方がより関心が高い。
マスコミの関心がリバースモーゲージに向かないのは、一般市民の関心がそちらに向いていないからである。

「現状のリバースモーゲージ制度の不備」に対応するのは麻生太郎の責任である

極東ブログ」は「現状のリバースモーゲージ制度の不備」で高齢者が不利益を被れば、その責任は「年金騒ぎ」を繰り広げているマスコミにあると唐突にマスコミ批判を始めるのだが、これも奇妙な話だ。
金融制度に不備があるのだとすれば、それについて責任を負うのは金融庁であり、また大臣である麻生太郎のはずである。
極東ブログ」は金融庁を批判しながら大臣である麻生太郎は批判しないという方針で記事を書いているようなのだが、これはどう考えても無理のある話だ。

タイトルに「野党」と入っているが批判し忘れている

最後に一つ。「極東ブログ」の記事のタイトルは「今回炎上した金融庁報告書で、金融庁が隠し、マスコミや野党が追求しないこと」なのだが、文中では野党について一切の言及がない。
おそらく、金融庁とマスコミとついでに野党を批判しようと思い立ってタイトルから書き始めたのだが、金融庁とマスコミを批判したら満足してしまい野党批判の言葉を挿入し忘れてしまったのだろう。

www.youtube.com

どう考えても麻生太郎は老後2000万報告書に責任がある

極東ブログ」が新しく年金記事を投稿しているが、やはり前回*1と同様によく読むと色々とおかしい。
finalvent.cocolog-nifty.com

金融庁が出した文書について大臣である麻生太郎には責任がある

極東ブログ」は金融庁が出した「『高齢社会における金融サービスのあり方』(中間的なとりまとめ)」について「審議会がない。金融庁が勝手にまとめていた」と言う。そして、「この流れから見れば、この話題は麻生金融担当相の諮問じゃないんじゃないの疑惑は深まる」と言うのだが、これはおかしい。
まず、「中間的な取りまとめ」*2金融庁として公表した文章なのであるから、審議会を経ていようが経ていまいが大臣である麻生太郎には責任がある。

麻生太郎は「高齢社会における金融サービスのあり方」について把握していた

さらに、「高齢社会における金融サービスのあり方」について「極東ブログ」は「金融庁が勝手に」したことだという筋書きにこだわるのだが、麻生太郎はこの動きについて把握していたはずである。
金融庁のサイトには「高齢社会における金融サービスのあり方」に関連するものとして次の閣議決定があげられている。*3

高齢社会対策大綱(平成 30 年 2 月 16 日閣議決定)(抄)
第2 分野別の基本的施策
1 就業・所得
(3)資産形成等の支援
イ 資産の有効活用のための環境整備
高齢期に不安なくゆとりある生活を維持していくためには、それぞれの状
況に適した資産の運用と取崩しを含めた資産の有効活用が計画的に行われる
必要がある。このため、それにふさわしい金融商品・サービスの提供の促進
を図る。あわせて、住み替え等により国民の住生活を充実させることで高齢
期の不安が緩和されるよう、住宅資産についても有効に利用できるようにす
る。また、低所得の高齢者世帯に対して、居住用資産を担保に生活資金を貸
し付ける制度として、都道府県社会福祉協議会が実施している不動産担保型
生活資金の貸与制度の活用の促進を図る。

麻生太郎は「高齢社会対策大綱(案)」について説明も受けているし*4、閣僚なので当然この閣議決定に責任を負う。

また、麻生太郎は国会でも「高齢社会における望ましい金融サービスのあり方」について衆参両院で発言しているので、この動きについて把握していなかったはずはない。

人生百年時代を迎える中、国民の生涯を通じた安定的な資産形成の推進に向けて、少額からの長期、積立て、分散投資を促すつみたてNISAの普及を図り、金融事業者による顧客本位の業務運営の取組を深化させるとともに、高齢社会における望ましい金融サービスのあり方についても検討を進めてまいります。

第197回国会 財務金融委員会 第1号(平成30年11月16日(金曜日))

人生百年時代を迎える中、国民の生涯を通じた安定的な資産形成の推進に向けて、少額からの長期、積立て、分散投資を促すつみたてNISAの普及を図り、金融事業者による顧客本位の業務運営の取組を深化させるとともに、高齢社会における望ましい金融サービスの在り方についても検討を進めてまいります。

参議院会議録情報 第197回国会 財政金融委員会 第1号

極東ブログ」の独特な文章の構成

事実関係についてだけ触れてきたが、この「極東ブログ」の記事は文章の構成も独特である。
記事は高齢者の資産取り崩しについて疑問を持ってそれについて調べるという形で始まるのだが、途中で突如「謎が解けましたね」と言い出して「この話題は麻生金融担当相の諮問じゃないんじゃないの疑惑は深まる」と結論付ける。そしてまた資産取り崩しの話に戻るのだが、結局何も明らかにしないまま終わってしまう。
文章を要約すると資産取り崩しについて調べてみたが政府がどうするつもりなのかはよくわからなかったというだけの話なのだが、途中に挿入された麻生太郎をかばう部分だけが際立って異質だ。

金融庁を監督できていないのなら麻生太郎は不信任に値する

前回に引き続き「極東ブログ」は老後2000万円報告書について麻生太郎に責任はないという立場で、金融庁が勝手にやったことだと主張するのだが、それは無理筋である。
金融庁がやったことについて麻生太郎は大臣として責任を取らねばならないし、実際に麻生太郎は報告書作成につながる動きについて把握していたことは閣議決定や国会議事録からも明らかである。
また、もし仮に麻生太郎が大臣である自身の意に反する金融庁の官僚の独走を完全に許していたのだとすれば、それは麻生太郎が大臣としての能力がないということだから、当然不信任に値する。
いずれにしろ、麻生太郎は大臣として金融庁が出した報告書についてなんらかの責任を負う立場にあるのである。
www.youtube.com

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金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)資料2 厚生労働省提出資料 23ページ